アメリカ旅行の際にはESTAへの登録を行いますが、その際にSNSのアカウント名といった情報も追加できるようになりました。 はたしてちゃんと登録したほうがいいのでしょうか。
ESTAとは?
ESTAは、電子渡航認証システム(Electronic System for Travel Authorization)の意味です。 アメリカ渡航の際には、ESTAを申請する必要があります。
代行業者もいますが、英語が問題なければ個人でやったほうが安くあがります。
登録内容も ・名前 ・住所 ・勤務先 ・宿泊先 などの非常にベーシックな情報が中心です。
なおSNSアカウントも登録欄がありますが、現時点ではオプション扱いです。 特に書かないからダメということではありません。
どんなアカウントを登録できる?
ESTA登録欄には以下のようなソーシャルネットワークのアカウントを登録できるようになります。
- ASKfm
- Flickr
- GitHub
- Google+
- JustPaste.it
- Tumblr
- Vine
- VKontakte (VK)
- YouTube
Ask.fmはユーザに自由に質問を投げかけられるというサービス。
日本でもそこそこ利用している人がいます。 フェイスブックやツイッター、ユーチューブやインスタグラムは日本でもアカウント登録している人は多いことでしょう。
VKは日本での知名度はありませんが、ロシアのフェイスブックと考えてよいでしょう。
JustPaste.itは、うちは知らんかったのですが、文字や簡単に共有できるサービスでした。 いろんな人が匿名でデータをやりとりするのに利用するようで、イリーガルなケースもあるのだそうです。
パスワードまで登録させられる?
ある記事によれば、国土安全保障長官のジョン・ケリーさんが「アカウントをパスワードを使ってチェックしたい。協力しない場合は入国できない」といった意見を発言しているそうです。
近々この国に入るためにはパスワードが必要になるかもしれない。Facebookのパスワードだ。国土安全保障長官のジョン・ケリーは、論争のさなかにあるトランプ大統領の移民拒否問題に関連して、下院国土安全保障委員会にこの方法を提案した。
プライバシーの問題もあるので実現されないことを願うばかりです。
しかし昨今の情勢をみると、アカウントを詮索されて不都合な事実が出てこないように日ごろからの運用や発言には気を付けておいた方がいいと思います。
アカウントはどう処理される?
登録されたSNSアカウントの処理、扱い方法は開示されていません。 あるニュースサイトが担当局広報に確認したところ、危険な人物・脅威となる対象を特定することが狙いとされています。
残念ながら推測の域はでませんが、おそらく以下の2つが主目的ではないかと思います。
アカウントからフィルタリング
事件事故を防ぐためには、事前に怪しい人物を特定し、入国を防いだり、入国後に関し可能な体制をとる必要があります。
当然提出された情報はチェックされることでしょう。 登録されたソーシャルアカウントは膨大な数になるため、1つ1つを人手がチェックすることはおそらくないでしょう。 そのため、プログラムによって機械的にアカウントをチェックされることになります。 交友関係(フォロー、フォロワーのネットワーク)や、参加しているグループ・団体などがスキャンされ、危険度のレベルを個別に算出される可能性は高いと思われます。
事後の調査
何らかの事件が発生した場合、犯行者とつながりのあるソーシャルアカウントの調査を行う可能性があります。 ... 以上の可能性を踏まえると、以下のような対処をおすすめします。
ビザでもSNSアカウント提出が必要?
米国へ入国ビザを申請する場合、SNSアカウント情報も義務付けられることになったようです。 現時点では米国に90日以内の滞在予定の場合、ESTAへの申請だけで十分です。 ビザ取得の必要性はありません。
参考:米国ビザ申請時、SNSアカウントなどの提出が必須に - Engadget 日本版
ESTAにソーシャルアカウントを登録する際の注意点
不特定多数とフレンドになっているようなアカウントは登録しない
うちではフェイスブックは2000人以上のフレンドがいます。 といってほとんどは面識のない人が多いです。 全く安全な人ばかりとは限りません。 しかし面識のある友達だけに絞るとなると、友達の削除だけでも大変な手間です。 このような場合にはESTAへのアカウント登録はしないほうが安全と思われます。
フォロワーが多いだけの場合はあまり神経質にならない
例えばインスタのアカウントで、写真も風景写真を趣味で撮って公開しているぐらいのものだとします。 その場合フォロワーが数万人いたとします。 すると怪しい人が紛れているかもしれない、と神経質になる必要はおそらくないと思います。 フェイスブックのようにフレンド申請してはじめてフレンドとになるサイトと、ツイッターやインスタのように簡単に誰でもフォローできるようなサイトは区別して考えてもよいでしょう。
安易な発言はしない
政治的発言などは、誤って解釈される可能性もあるため、ソーシャル上では安易な発言は考え物です。 トランプさんを揶揄した内容のものなども、一般公開されているアカウント上で行うのはどうかという気もします。
わからない場合は登録しない
まだネットのことやツイッター、インスタなどになれていないような場合には、無理に登録しなくてもよいと思います。 参考: U.S. government begins asking foreign travelers about social media - POLITICO
ESTAで渡航拒否になる?
ESTAへの登録で適切な書き方をしていないと拒否になるケースがあります。 こちらのブログ記事では、ESTAでNGとなっていて慌てて再申請したというケースが紹介されています。
ESTA渡航拒否になる理由のほとんどが「入力ミス」のようです。自分は間違っていないと思っていて、かつ間違ったことを確認するフローがやや分かりにくかったこともあり、原因不明でかなり焦りました。
出典:ESTA渡航拒否になってハワイに行けなくなりそうだった話 | ikechan0201 blog~金谷開拓編~
ここでは「期間を過ぎた滞在したことがあるか」という質問に、うっかり「はい」をしてしまったそうです。
ESTAの不具合:404 Not Found?
執筆時現在ESTAのサイトが404 Not Found(見つかりません)となってしまいます。 https://esta.cbp.dhs.gov/esta/application.html
こちらのリンクから行くとつながります。 https://esta.cbp.dhs.gov/