AIで怖い話を書くプロンプトと、その作例の紹介です。
今回のプロンプトはこちら。
廃墟の病院を舞台としたホラー・ショートストーリーを作ってください。
以下のコツを取り入れて作成-廃墟を訪れる、陰気なビルへ引っ越しする、所縁のあるものを受け取る、などからスタート
-主人公は理不尽な状況でも逃げられない状況に追い込められる。
-普段の生活の中で起こり得ることとして怖い要素を取り入れると、リアリティが増し恐怖感が高まります。
-話の中で徐々に緊張感を高め、クライマックスで恐怖を最大化させます。
-不詳細な描写で不気味な場所や状況を描きます。
-登場人物の恐怖心や不安感を細かく描写します。
-読者の予想を裏切るような展開や結末を用意します。
-音や視覚的な要素を効果的に使い、五感に訴える描写を行います。例えば、かすかな足音や影の動きなど。
-詳細をすべて説明せず、読者の想像力を刺激するような余白を残すことで、読者自身が恐怖を補完するようにします。
では、Claudeでの作例です。
幽霊の診察室
真夜中の闇に包まれた廃墟の病院。その前に立つ木村美咲は、手の中の古びた鍵を握りしめていた。祖母の遺品整理中に見つかったその鍵には、「聖マリア病院 301号室」と刻まれている。
「ここで、おばあちゃんは何を…?」
美咲は躊躇いながらも、朽ちかけた扉を押し開いた。錆びついた蝶番が悲鳴を上げる。
廊下に一歩踏み入れると、かすかな消毒液の匂いが鼻をつく。どこからともなく聞こえてくる点滴の滴る音。美咲の背筋が凍りつく。
「気のせい、気のせいよ」
そう自分に言い聞かせながら、301号室を探して歩を進める。
しかし、どれだけ歩いても目的の部屋にたどり着かない。まるで廊下が延々と続いているかのようだ。
突然、背後から車椅子の軋む音が聞こえてきた。
振り返ると、白衣を着た人影が車椅子を押して近づいてくる。その顔は…ない。
恐怖に駆られた美咲は走り出した。しかし、どこへ逃げても同じ景色が続く。
やがて、301号室の扉を見つける。
鍵を差し込み、震える手でドアノブを回す。
部屋の中は、まるで時が止まったかのように保たれていた。
ベッドの上には、一枚の写真。そこには若かりし頃の祖母と、美咲にそっくりな少女が写っている。
「これは…私?」
写真の裏には、こう書かれていた。
「愛する孫娘へ。あなたの前世の記憶を取り戻すため、ここへ来てくれてありがとう」
その瞬間、美咲の頭に激痛が走る。記憶の洪水が押し寄せてくる。
かつてこの病院で、幼くして亡くなった自分。
そして、その魂を持って生まれ変わった現在の自分。
美咲が我に返ったとき、部屋は消えていた。そこにあるのは、ただの廃墟。
しかし、確かな記憶と、手の中の写真だけが、この夜の出来事が現実だったことを物語っていた。
美咲は静かに病院を後にした。もう二度と戻ることはないだろう。
だが、過去の自分との再会は、美咲の人生に新たな意味を与えたのだった。