マイクロソフトのAI戦略が拡大しています。新機能「リコール」は絶えずデスクトップを監視します。プライバシー保護にはエッジが必須となるかもしれません。
新機能リコールとは
マイクロソフトの新機能「リコール」は、定期的にデスクトップのスナップショットを記録します。
記録されたスナップショットはAIによって解読されます。
そこで使っているソフトや、どんなドキュメントを作成していたか、などの情報が分析されるようです。
リリースは6/18。
マイクロソフトの社員は、「同僚に社内のある人物を知っているかたずねた際、その人物の風貌を伝えるためにRecall機能を使い、その人物と過去にZoomで話した時の記録にアクセスした」そうです。
「Copilot+ PC」の新AI機能をざっくり試す--感触は上々 - CNET Japan
リコール機能のTIPS
リコールは悪用される?
リコールは画面のスクショを定期的に撮影。それはファイルとしてPC内に一時保存されることになります。
そこに着目したホワイトハッカーのAlex Hagenah氏は「TotalRecall」と呼ばれるツールを公開。スクショされたデータにアクセス可能であることを示しました。
スクショファイルをみれるのであれば、腕のあるハッカーならそこからいろんな情報を吸い出すことも可能となります。
MSのAI新機能「Recall」、早くも悪用ツールが公開に - ZDNET Japan
専用NPUがなくても使える?
コパイロット+PCでは、稼働条件として一定以上の速度を持つNPUが必要としています。
リコール機能はNPUがなくても対応できるようですが、NPUがないとパフォーマンスは大幅に低下するとのことです。
Microsoft's Windows 11 AI Recall feature runs on unsupported devices | Windows Central
マイクロソフトリコールで「エッジ」がほぼ必須に?
懸念されるのはプライバシー。
例えばブラウザでパスワードやIDを入力した場合です。通常パスワードは「*」記号で表示されませんが、サイトによっては表示されたり、サイトによっては「表示する」機能を使うこともあるでしょう。
報道によれば、このようなセキュリティ対策をしたい場合、「エッジ」を使えばブロックできるそうです。
逆にいえば他のブラウザを使う限り、リコールにどんどん情報が吸い上げられてしまうことになります。
特に企業ではプライバシー管理を徹底させる必要があり、エッジの利用が推奨されることになるかもしれません。
Giving Windows total recall is a privacy minefield • The Register