新しいVFXの技術としてステージクラフトという手法が注目されています。
ここではステージクラフトの方法論などについてまとめていきます。
ステージクラフトとは?
昔の007映画などでは、背景に動画を流してその前で撮影する手法が行われていました。
これならスタントマンを使わなくても、役者本人が派手なカーアクションを演じることもできました。
ただ、背景の動画は精度がひくいためぼやけて見えたり、手前の役者さんとのライティングなどの差が出てしまいます。
近年は特にCG技術が進歩したため、グリーバックで大体とって後で合成という手法がメインとなり、この技法を使うケースはほぼないといってよいでしょう。
しかし最近のLED技術の向上などから、より精緻な動画を背景に流しながら撮影する手法「ステージクラフト」が注目されています。
スターウォーズでおなじみILMなども現在は積極的にこの方法に取り組んでいます。
メリットは?
グリーンバックでの撮影では、舞台のない緑色一色の世界で演技をしないといけません。
しかもそれが何か月も続くため、結構なストレスとなっているようです。
実際、ユアンマクレガーも、その状況下でリアリティを保つのは大変だったとしています。
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ステージクラフトなら背景が実際に投影されるため、役者も入り込みやすくなります。よりリアルに感じられる環境下で演技ができます。
ステージクラフトの手法は、単にLEDパネル動画を背景にながすというだけでなく、撮影後のCG合成をし直す...といった手法とも組み合わせて使いやすくなるものと思われます。
背景CGの位置設定やカメラアングルがしっかり測定されていれば、CGを後から合成しなおすのもかなり楽になるからです。
The Midnight Sky’s Virtual Production using StageCraft – fxguide