2024年より電子帳簿保存法が改正されます。エクセルやPDFで請求書などを作る場合も多いと思いますが、これらのファイルは保存する必要があります。
電子帳簿保存法改正
今まで書類を紙で保存すればOKでしたが、反面書類が膨大になって大変だったりします。電子データを公式な書類として認める範囲も拡大しておきており、今度の改正ではデータをプリントアウトしなくてもよくなりました。
0021006-031_03.pdf (nta.go.jp)
変更の主なポイント
受領者はデータを保存する必要がある
改正後は、データで受け取ったものはデータで保存しておく必要があります。
紙に出して保存ではいけません。
保存データはすぐ探せる・すぐ見れるようにしておく
保存したデータは
・日付・金額・取引先で検索できる
・すぐディスプレイ上で確認できる
...ようにしておく必要があります。
エクセルで対応する場合、ファイル名をエクセルで管理し、ソートや検索ができるようにしておくといいです。
無料テンプレートは以下などから入手できます。
また、ファイルの管理・整理を簡単にするための外部サービスとしては以下のものがあります。
Invox
invox電子帳簿保存 – あらゆる国税関係書類をぜ〜んぶ電子保存!
「請求書・契約書・領収書・納品書・検収書・見積書・注文書などの国税関係書類を、取引年月日・金額・取引先を正確にデータ化した上で、訂正削除の履歴や申請・承認の記録を残して電子保存」します。
ミニマムなら
・初期費用:0
・月額:税込2,178円
データ化はセルフ。最大5万件まで
ベーシックなら
・初期費用:0
・月額:税込10,780円
・オペレータ入力:1件税込110円
クラウドBOX
電帳法対応ストレージサービス「マネーフォワード クラウドBox」 (moneyforward.com)
料金は現時点では無料。
freee
電子帳簿保存法改正対応!完全ペーパーレス革命 (freee.co.jp)
2022年1月に対応予定。freee利用者であれば追加料金不要。
送信者はファイルへタイムスタンプの処理が必要となる
個別ファイルにはタイムスタンプを付与して改ざんできない措置をする必要があります。
クラウド上の帳簿やスマホ決済などで利用した情報については、情報が共有されており改ざんされる可能性が低いデータとなり、タイムスタンプ処理は不要とみなされるようです。
ファイルにタイムスタンプをつける処理は、発行者がつける必要があります。
実際には、第三者が提供するタイムスタンプサービスを利用するのが一般的となるでしょう。日本データ通信協会が「タイムビジネス信頼・安心認定制度」の認定をしたタイムスタンプ事業者(時刻認証業務認定事業者)は以下になります。
認定タイムスタンプを利用する事業者に関する登録制度 | デ協 (dekyo.or.jp)
アマノタイムスタンプサービス3161
アマノセキュアジャパン株式会社が提供するタイムスタンプサービス
アマノタイムスタンプサービス3161|タイムスタンプサービス|アマノセキュアジャパン (e-timing.ne.jp)
従量制料金メニューの場合、
・アカウント発行費用:¥6,000/アカウント(税抜)
・月額基本料金:¥8,000(税抜)
※基本料金には、1000スタンプ利用分を含みます。
・月額アカウント管理費用:¥500/アカウント(税抜)
他定額制料金もあります。
セイコータイムスタンプサービス
セイコーソリューションズ株式会社が提供するタイムスタンプサービス。料金見積もりは別途お問い合わせ
セイコータイムスタンプサービス|製品・サービス|セイコーサイバータイム (seiko-cybertime.jp)
TKCタイムスタンプ・TKC証憑ストレージサービス
スキャナ保存制度に対応した「TKC証憑ストレージサービス(TDS)」のユーザーに、タイムスタンプサービス「TKCタイムスタンプ」を提供します。
TKC証憑ストレージサービス TDS | TKC証憑ストレージサービス TDS | 上場企業の皆様へ | TKCグループ
サイバーリンクス タイムスタンプサービス
株式会社サイバーリンクスが提供するタイムスタンプサービス。料金見積もりは別途お問い合わせ
サポート|株式会社サイバーリンクス タイムスタンプサービスリポジトリ (cyberlinks-timestamp.jp)
MINDタイムスタンプサービス
三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社が提供するサービス。料金見積もりは別途お問い合わせ
MINDタイムスタンプサービス-DiaStamp- | プラットフォームソリューション | サービス・製品 | 三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(MIND)
個人やフリーランスでは、件数も多くないでしょうし、このような有料クラウドサービスを使うのは無駄な出費という気もしないでもないです。
ただ印字して書類を郵送するということで対応して良さそうなので、それでいいかなと個人的には考えています。
データの保存方法
「電子帳簿保存法一問一答」によれば、データは訂正ができない状態であることが必要となります。
PDFファイルの場合は?
PDFで請求書等受けとった場合、以下のような対応が推奨されています
1)ファイルをわかりやすいファイル名で保存。
例えばxx商事請求書x月x日なら、「xxshoji-seikyu-2022-1-111.pdf」など。
2)取引先別、あるは月別のフォルダを作っておいておく
メールの場合は?
メール内にデータが記載されていればメールを、添付ファイルの場合は添付ファイルを保存する必要があります。
エクセル書類の場合は?
「電子帳簿保存法一問一答」によれば、データは訂正ができない状態での保存が必要とされます。
Excelファイルで請求書や領収書を作る場合には、タイムスタンプサービスを利用してファイルの正当性が示せるようにする必要はあるでしょう。
ファイルのバックアップは必要?
Q&Aによれば受け取ったデータのバックアップは必須条件ではありません。
ただし万が一紛失すると大変ですので、当然バックアップはしておいたほうがいいです。
クラウド(海外を含む)への保存でよい?
Q&Aによればクラウドは国内にサーバがあることなどは条件としていません。アクセスして見れれば大丈夫です。
海外のクラウドストレージでも大丈夫とされており、グーグルドライブ、マイクロソフトワンドライブ、ドロップボックス等でも大丈夫と思われます。