Blenderという無料CGソフトでVR動画を作って、フェイスブックやYouTubeにアップする手順の紹介です。
360度動画を作る
いろいろやり方があります。一番簡単なのは360度対応カメラで動画を撮ってアップすることでしょう。
CGソフトから作ることも可能です。ここでは無料のCGソフトBlenderから作る設定を紹介します。
仕組みは?
360度動画は、360度を表すようにゆがんだ画像が連続して再生されるイメージです。そのためファイルサイズとしては通常動画よりも大きくなります。
動画形式としては通常のMP4で大丈夫ですが、YouTubeなどに投稿する場合には後述するように360度動画として付属情報をくっつけて投稿する必要があります。
360度動画をBlendarのCGで作る
CGで作ることもでき、Blendarなら無料で使えるので低コストで作業できます。
最近バージョン3が出ましたが、マイクロソフトストア版はまだ2.8です。
基本的な使い方は以下参照ください。
レンダー
レンダープロパティのアイコンを選び、レンダーエンジンを「Cycles」にします。
サイズが大きいため少しでも速度アップするには、「デバイス」は「GPU演算」にします(グラボ搭載時)。
「パフォーマンス>タイル」はレンダリングする大きさでGPU演算の場合には256など大きい数値にします。
出力
出力プロパティを設定します。
・フォーマット
アスペクト比は横2、縦1です。解像度は
- 4Kなら3,840×1,920、
- 6Kなら6,000×3,000、
- 8kなら7,680×3,840。
- 最大8192x4096。
いろいろ試したんですが、YouTubeなら4096x2049ぐらいのファイルなら4K程度の画質で再生されるっぽいのでそのぐらいで作るとよさそうな感じです。
もちろんハイスペックPCで余裕の人は問題ないですが、そうでないとレンダリングだけで疲労します。解像度については以下のサンプルも参照ください。
・フレーム範囲
好みに応じて出力するフレーム数を指定
・出力
動画で出力する場合、フォーマットでは、
- 出力ファイルフォーマットを「FFmpeg動画」、
- エンコーディングコンテナを「MPEG-4」
- 動画コーデックを「H.264」
...にします。
カメラ
カメラのプロパティを選択。
YouTube でサポートされている 360° 動画は正距円筒図法によるものだけでとないっています。
- レンズタイプを「パノラマ」にします。
- パノラマタイプを「正矩円筒図」にします。
実際にレンダリングするとVR用にゆがんだ画像がレンダリングされます。
360度動画を編集する
ブレンダーの書き出しでは音楽などはつきません。そこで別途動画編集ソフトで加工しておきましょう。
PowerDirector
動画を編集するにはPowerDirectorなどを使います。
PowerDirectorでは「編集>縦横比」のところに360設定というものがあります。
レンダリングは時間がかかるので静止画を1枚作り、動画にするのも手です。
その場合取り込んだ画像の投影形式を正矩円筒図法にします。
出力サイズはプリセットに限定されますが、プロファイルを変更すると任意のサイズに変更できるかもしれません。
PowerDirector16を使用しています。H.264でmp4形式に書... - Yahoo!知恵袋
Blendar
また、BlendarにあるVideoEditiingを使うこともできます。
参考:
【Blender】VR動画をつくってyoutubeに投稿してみよう(映像編) - YouTube
【Blender】Blenderにて360度動画用のレンダリング設定【VR】 | alumiblog
360度動画のアップロード
YouTube
360度動画のメタデータを作成(Spatial Media Metadata Injector)
Release Spatial Media Metadata Injector · google/spatial-media · GitHub
作った動画ファイルを開き、「Inject metadata」を押して出力します。
上のチェックが360度動画であることを示します。
YouTubeへアップ
InjectしたファイルのほうをYouTubeへアップします。
処理の終わった動画を見ると、左上に移動アイコンがでたり、画面上をドラッグして動かせれば360度動画になっています。
参考:
Upload 180- or 360-degree videos - YouTube Help
360度動画をFacebookへアップ
360DirectorTool
Facebookも同様にメタデータ版を作っておきます。
ない場合は上記のツールを使うか、FBページを使います。
(1) 360 Director Tools (facebook.com)
アップロード
あとは写真・動画のところでアップロード。
するとガイドポイント(開始位置?)を選んでから
ダウンロード。
ダウンロードした動画をフェイスブックに投稿します。
処理時間がかかるので、通知で完了を待ちます。終われば動画が見れ、マウスドラッグで視点移動できます。
起動時に360度動画であることを表すアイコンが出るのでわかりやすいです。
Facebookで360度動画をアップロードするにはどうすればよいですか。 | Facebookヘルプセンター
解像度
PowerDirectorで動画にしてから出力しますが、PowerDirectorで出力できるのは4096x2049まで(H264エンコード自体、4096が最大みたいです)。
それ以上はBlendarのVideoEditingを使って動画にしてKmv出力。オンライン変換でMP4にしてから利用しています。
フェイスブック 1280x640
1280x640の解像度。全体的ににじんでシャープではないです。
フェイスブック 4096x2049
4096x2049の解像度。線はだいぶしっかりしてます。
フェイスブック 8192x4096
ユーチューブの360度動画の画質
YouTubeは解像度関係なく汚かったんですが、ネットの速度によって画質がオートになっている影響も大きいです。
解像度を変更してきれいになるか確認したほうがよさそうです。
アップした動画の解像度によって、再生画質は
・8K 4320s
・5K 2880s
・4K 2160s
・HD 1040s
・HD 1080s
などに設定できます。
巷の360度動画では、マックスで4Kぐいらまでだったり8Kまで対応していたいとまちまちになっています。
一方で高解像のものをCGで書き出したり編集して出力すると凄い時間がかかってしまいます。
ある程度YouTubeでは割り切った画質のファイルをつくったほうがいいように思います。結構疲れますしね。
YouTube 1280x640
1280x640の解像度。画質の設定の上限は720sまで上げてこんな感じ。
YouTube 2880 x 1440
画質の設定の上限はHD 1440sまで引き上げ可能。
YouTube 3840 x 1920
画質は4Kの2160sまで上げて表示可能。
YouTube 4096x2049
画質は4Kの2160sまで上げて表示可能。
YouTube 8192x4096
画質は8Kの4320sまであげることができます。
クエスト2自体の解像度は1832×1920となります。
以下やYouTubeVRをクエスト2で見た場合のものです。PCの場合と比べて解像度は落ちます。
MetaQuest2 YouTube 2880 x 1440
画質は1440Sまで。結構圧縮のせいで縁はぼわっとします。
MetaQuest2 YouTube 3840 x 1920
MetaQuest2 YouTube 4096x2049
MetaQuest2 YouTube 8192x4096
画質は2160sまであげることができます。
3840 x 1920以上であれば、PC版やオキュラスクエスト2でそこそこの画質で動くものになると思います。
Blender操作の目次はこちら。